概要

BitVisor の概要と設計思想

BitVisor は、ゲスト OS からの I/O アクセスを仲介することを主目的として設計された、 小型のハイパーバイザです。 現在はオープンソースコミュニティで開発・維持されています。

アーキテクチャ: parapass-through(準パススルー)

BitVisor の核心的な設計思想が parapass-through(パラパススルー) アーキテクチャです。

ゲスト OS からのほとんどの I/O アクセスはハイパーバイザを素通りして直接ハードウェアに届き、 セキュリティ上重要な I/O アクセスだけをハイパーバイザが仲介します。 ゲスト OS のデバイスドライバをそのまま活用するため、 大規模なデバイスエミュレーション層を持たず、 TCB(Trusted Computing Base)を最小限に抑えることができます。

また BitVisor はシングル VM 専用設計であり、複数 VM の同時実行はサポートしません。 この設計により VM 間のリソース管理機構が不要となり、さらなるコード削減を実現しています。

特徴

小さい TCB(Trusted Computing Base)
parapass-through アーキテクチャとシングル VM 設計により、 BitVisor 自身のコードサイズは極めて小さく保たれています。 セキュリティ上の信頼境界を最小化し、検証・監査のコストを低減します。

透過的な動作
ゲスト OS(Windows・Linux など)に変更を加えることなく動作します。 既存のソフトウェア資産をそのまま利用しながら、 ハイパーバイザレイヤでセキュリティ機能を実現できます。

研究・教育プラットフォーム
シンプルな構造を維持しており、 ハイパーバイザ研究や OS セキュリティ教育の基盤として広く活用されています。 BSD ライセンスのもとで自由に改変・再配布が可能です。

ハードウェア仮想化対応
Intel VT-x / AMD-V に対応し、 x86_64 (Intel/AMD PC) 上でネイティブな仮想化性能を発揮します。 BitVisor 3.0 からは AArch64 (ARM) にも対応しています。