[BitVisor-users:4] BitVisor 1.2 released

Hideki EIRAKU hdk @ igel.co.jp
2011年 10月 28日 (金) 12:06:11 JST


こんにちは。

BitVisor 1.2 のリリースをお知らせできることをうれしく思います。

    http://sourceforge.net/projects/bitvisor/files/

BitVisor 1.2 と BitVisor 1.1.1 との違いは以下の通りです。

 1. ACPI Suspend-to-RAM (S3) 対応
    ACPI Suspend-to-RAM (S3) に対応した。現在、コアおよび以下のデバイス
    ドライバーが ACPI Suspend-to-RAM に対応している。
    - UHCI
    - EHCI
    - USB マスストレージデバイス
    - USB ハブ
    - PRO/1000
    - ATA
    - AHCI
    このリリースから、デフォルトで ACPI Suspend-to-RAM が有効である。無
    効にするには、CONFIG_DISABLE_SLEEP=1 に設定して再コンパイルを行う。

 2. TCG BIOS 呼び出し機能
    ゲスト OS を開始する前に TCG BIOS を呼び出すための機能を追加し、
    TCG measurement に対応した。機能追加に伴う変更は以下の通りである。
    - callrealmode: モード遷移の挙動を変更し、制御レジスター等の保存・
      復元処理を追加した。
    - callrealmode: ミニ OS 開始後に BIOS を呼び出すため、仮想マシン上
      の BIOS を呼び出せるようにした。
    - MBR を読み込む処理を含む複雑なアセンブリ言語のソースファイルを削
      除した。その処理を callrealmode を用いて C で書き直した。

 3. ATA コマンド発行機能
    ATA コマンドを VMM から発行する機能を追加した。

 4. バグfixと機能改善
    * Realtek RTL816x Ethernet driver
      - ログ出力機能を追加した。
    * Intel PRO/1000 Ethernet driver
      - ログ出力機能の初期化コードを、ノート PC の内蔵デバイスに対応す
        るように改善した。
    * Core
      - NULL ポインター検出のために、プロセスが動作していない間、仮想ア
        ドレス空間の下位 1GiB をアクセス禁止にした。
      - 640KiB 以下のアドレスのメモリを確保する機能を追加した。リアルモー
        ドの BIOS フックの実装は以前よりも容易になった。
      - int $0x15 のフックにおいて、特別な I/O を使用しないようにした。
      - CPU インタープリター: プリフィックス長ではなく、命令長をチェッ
        クするようにした。
      - シャドウページテーブル: 一部 PC の BIOS において、無限ループに
        陥るバグを修正した。
      - シャドウページテーブル: アクセス許可フラグが正しく反映されない
        バグを修正した。
      - シャドウページテーブル: CR0.WP ビットの処理を改善した。
      - シャドウページテーブル: ミニ OS 後に MMIO のフック登録に失敗す
        ることがある問題を修正した。
      - シャドウページテーブル: シャドウページテーブルを無効化する特別
        なオプション CONFIG_CPU_MMU_SPT_DISABLE を追加した。これは、シャ
        ドウページテーブルの性能を調べるためのものである。
      - vt: リアルモードセグメントレジスターの変更処理を改善した。
      - vt: VMLAUNCH/VMRESUME に失敗した時の、スタックポインターのずれ
        を修正した。
      - vt: Atom Z520/Z530 プロセッサーで発生するイベントデリバリー処理
        の問題を修正した。
      - svm: 32 ビットコンパイルするとタスクスイッチ時の処理が正しく実
        行されない問題を修正した。
      - svm: ゲスト OS が IA32_MTRR_DEF_TYPE MSR を変更する際に
        BitVisor が panic する問題の回避策を追加した。
      - USB MSCD ドライバー: 配列サイズが足りなかったのを修正した。
      - USB MSCD ドライバー: メモリリークを修正した。
    * その他
      - GCC の最適化による誤動作を防ぐため、CFLAGS に
        -fno-strict-aliasing オプションを追加した。
      - boot/login: 64 ビット環境でコンパイルできなかった問題を修正した。
      - boot/login-simple: 64 ビット環境でコンパイルできなかった問題を
        修正した。

楽しんで下さい!

-- 
Hideki EIRAKU <hdk @ igel.co.jp>


BitVisor-users メーリングリストの案内